芸術鑑賞2023②

2023年度後半の芸術鑑賞まとめです。

 

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◾️2023.11

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それぞれの感想に移る前に…世界三大オーケストラと言えば、オーストリアウィーンフィル、ドイツのベルリンフィル、オランダのコンセルトヘボウ。ウィーンフィルは何度か生で聴いたことがあるけど、他2つは聴いたことがなかった。今年は曲目が好みだったので、思い切って両方聴いてきた。

⚫︎ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 @京都コンサートホール

すっっごく良かった。最初の音の響きを聴いた瞬間、うわあ〜!!と心躍った。弦楽器の木の鳴り、ホルンの透明感、木管のまろやかさ。木管は特にクラリネットに惹かれた。

というのも、大昔クラリネットをしていた時期があったため。クラリネットで良しとされる音質って2種類に分かれている気がしていて(違ったらすみません)、煌びやか系とまろやか系。当時、憧れの先輩が後者タイプですごく上手な方だったこともあり、私は丸くて深みのある音がずっと好き。でも世間では煌びやか系が多いみたい。十数年間、少数派なんだなと思い続けていたところ、突然コンセルトヘボウのクラリネットが理想形で聞こえてきて、びっくりしたし嬉しかった。

曲目は、シャープの曲ばかりで華やかだった。最後のチャイコフスキー交響曲5番は素晴らしすぎて、一生終わってほしくないと思った。以前オランダへ旅行したときに清々しい空気感の国だなと感じたけど、オケの音までも清々しかった。次は2025年に来日するらしいので、ぜひまた聴きに行きたい。

 

⚫︎ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 @アクリエひめじ

自分でも恐ろしいけど、天下のベルリンフィルなのにあまり感動できなかった。なんかもっと軍隊的でキレのある音質を期待してたのかも。でもコントラバスが7台も乗っていて、低音の鳴りはさすがだった。

演奏云々とは関係ないけど、今回は祖母と聴きに行けたのが一番良かった。コロナ禍になる前からいつか一緒にベルリンフィル聴きに行こうねと約束していて、ようやく叶えられてホッとした。大好きな祖母、ずっと元気でいてほしい。

 

◾️2023.12

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⚫︎ガウディとサグラダ・ファミリア展 @佐川美術館

ガウディの建築は、幾何学的な構造と有機的な装飾が特徴とのこと。設計するときに特に数値計算等はせず、重りと紐で作った「逆さ吊り模型」で諸々を考えていたそう。

サグラダ・ファミリアは永遠に建設中かと思いきや、2026年に完成するらしい。どうせなら未完の貴重な時期に行ってみたいけど間に合うか? スペインのおつまみ料理 ピンチョスをたらふく食べたいから、消化器官が元気なうちに行っておきたいという下心もある。

 

⚫︎東京バレエ団くるみ割り人形」@兵庫県立芸術文化センター

クリスマスの週末が暇すぎて、半ばやけくそで余り物チケットを購入。生のバレエ鑑賞は初めてで そわそわしたけど、ホリデーシーズンにぴったりの可愛いストーリーと豪華な舞台セットで明るい気分になれた。女性陣も綺麗だったけど、くるみ割り王子の跳躍力に圧倒された。

2023年度、こんなにバレエ独特のストイックな美に取り憑かれるとは思ってなかった。まあ芸事あるあるで裏では色々ありそうだから、手放しで称賛していいのか分からないけど、何事も予期せずハマれると楽しいです。

 

◾️2024.1

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⚫︎文学フリマ京都 @京都市勧業館みやこめっせ ※画像なし

SNSやブログでフォローさせてもらっているAさん&Aさんが、お住まいの関東圏ではなく京都で出展されるとのことでお邪魔してきた。インターネット越しに素敵だなと思っている方々と言葉を交わせて感激。ご著書、大事に読ませていただきました。

今回初めてこういう場を訪れたんだけど、何かを作り出している人がたくさんいらして、パワーを分けてもらえた気がした。ブログに2,000字綴るだけで一苦労している私からすると尊敬しかない。

 

⚫︎King Gnu「THE GREATEST UNKNOWN」@京セラドーム

数年前に「白日」を「白目」と見間違えて、興味本位で聴いてみたらとんでもなかった。それ以来、新曲は大体チェックするようにしている。常田さんが2024年以降は活動の仕方を変える的なことをSNSで仄めかしていたので、滑り込みでライブ参戦。「白日」「Flash!!!」「Vinyl」「三文小説」「飛行艇」が特に印象に残った。井口さんの生歌、透き通ってたなあ。

(メモ) 今回のツアーは大阪始まりだったんだけど、他の地域では、大阪と比べて断然盛り上がってたとかいう話をSNSで見た。何事も先手必勝が持論だけど、ライブは例外かもしれない。

 

⚫︎フランク・ロイド・ライト展 @パナソニック留美術館

フランクロイドライトは、芦屋にある「ヨドコウ迎賓館」を訪れてから、勝手に親近感を持っていた。直線のイメージが強かったけど、本人的には滑らかな織物を意識していたらしい。現代の住宅の基礎となる「ユニットシステム」の考案等、合理的な一面も知れて面白かった。

普段 建築関係の展示は、一級建築士の才媛と一緒に行かせてもらうことが多いんだけど、今回は一人で行ったので少し物足りなく感じた。有識者の着目ポイントのおこぼれをもらうのが好きみたい…改めて友達に感謝せねば。

 

⚫︎Bruno Mars @東京ドーム

ブルーノマーズは元々好きだったけど、2022年秋に初めてライブに行ってから すっかり虜になった。もう一度聴きたくて、はるばる東京遠征。

前回と変わらない圧倒的な声量、天才的なリズム感、そして何よりカワイイ! 真のエンターテイナーって彼のことだと思う。1時間だけでいいからブルーノマーズになってみたい。今回は大好きな「Chunky」がセットリストから外されていて聴けなかったので、また行かないといけない。

(メモ) 東京ドーム名物、出口の強風を体験できて、謎の達成感。でもあれ普通に危険ですね。

 

⚫︎英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24「ドン・キホーテ」@映画館

主役のキトリ役のマヤラ・マグリさんの踊りは、パワフルでリズム感抜群な印象を受けた。スペインが舞台だからか 3拍目に手拍子を入れる振付が何度も出てきたんだけど、全部バシバシ決めていて見ていて気持ち良かった。タンバリン、扇子、布等の小道具が多用されていたのも楽しかった。

ちなみに今年度 突然バレエ鑑賞するようになったきっかけは、漫画「絢爛たるグランドセーヌ」の主人公が踊ったドン・キホーテのキトリのバリエーションをYouTubeで見て惹き込まれたこと。早々に英国ロイヤルの映像作品を観られてラッキー。

 

◾️2024.2

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⚫︎パリ・オペラ座バレエ団「白鳥の湖」@東京文化会館

鑑賞直後の率直な感想は「なんだかよく分からないけど、ものすごいものを観たな…」だった。オデット/オディール役: ヴァランティーヌ・コラサントさん、ジークフリート王子役: ギヨーム・ディオップさん、家庭教師ヴォルフガング/ロットバルト役(いわゆるヴィラン): アントニオ・コンフォルティさんの回を観ました。ストーリーは割愛するけど、バッドエンドで最高だった。

ヴァランティーヌさんは登場した瞬間、明らかに主役だと分かった。オペラ座バレリーナはみんな上手に決まってるけど、やはりエトワールは格が違う。オデット役では可憐だったし、オディール役ではパキっとした動きで完全に悪女。ギヨームさんは、なよっとした王子らしくて良かった。そしてアントニオさんが超かっこよかった。長いマントを翻す仕草は色気しかなかったし、悪い家庭教師がヤワな王子を唆して二人で踊るシーンでは、お耽美すぎてBL的な何かに開眼しそうになった。

40人弱もの大所帯の群舞には本当に感動した。白くて繊細なチュチュも相まって、生きた白鳥が群れているかのように見えた。2階最前列で鑑賞したこともあり、次々に隊列が変わっていく様子は圧巻だった。その他、白鳥ほどの大人数ではなかったけど、騎士役の男性複数人が踊っているシーンも見応えがあった。

踊り以外の面で言うと、まず「白鳥の湖」は音楽が泣ける。耳だけ一丁前に肥えているのでオケが微妙だと気になるけど、今回は大丈夫だった。衣装も、主役3名は はっきりした色合い、他の役はくすんだ色味が多くて、フランス流の色のセンスはすごいなと思った。意外だったのは舞台セットがかなり質素だったこと。曇り空っぽいグレーの壁紙1枚だけで、他の装飾やモノは一切なかった。逆に踊りが際立っていたように思う。とにかく最高峰の芸術に触れられて、至福のひとときを過ごせた。

 

⚫︎モネ 連作の情景 @大阪中之島美術館

展覧会の広告で使われている「ヴェンティミーリアの眺め」が爽やかで好きだった。「ウォータールー橋の連作」等、水の反射の描き方が本当に綺麗だなと思った。個人的には、モネの作品だと「かささぎ」が好きで、今回展示されてるかなと期待してたけど残念ながら無かった。いつか拝めたらいいな。

 

◾️2024.3

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⚫︎イッタラ展 @美術館「えき」KYOTO

歴代のイッタラの作品やデザイナーがまとめられた展示。あの有名なアアルトベースの作り方の解説映像を見て、軽率に欲しくなった。全体的にイッタラの作品は、北欧の冬の自然物(氷や雪)をモチーフにしているものが多い。流氷や氷柱のような巨大なガラス作品では、光が分厚いガラスを通って複雑に反射していて何とも素敵だった。かねてからフィンランドには旅行してみたくて、行くとしたら絶対に夏だと思っていたけど、もし複数回行く機会があれば一度は極寒の冬を体感してみたいかも。

 

⚫︎オリガ・スミルノワのジゼル in cinema @映画館

オリガ・スミルノワさんは、元々ロシアの名門ボリショイバレエ団のトップだった方で、ロシアのウクライナ侵攻に大反対してオランダのバレエ団に移籍したそう。ジゼルのざっくりストーリーは、農民の娘と貴族の男性の身分違いの悲恋。貴族の男性が最低で、いつまでも身分を明かさないし、おまけに婚約者もいた。

ストーリーはさておき、オリガさんの踊りは素人目にも完璧だった。爪先が段違いに強そうな感じがしたのと、とにかく手足が長い。あと、ジゼルが男性の秘密を知って憤死するシーンは、息をするのも忘れるほどの凄みだった。オリガさん自身、祖国に失望して出国していて、その決断はどれだけ苦しかっただろう…ここまで表現できる人生経験、彼女に限らず誰もしちゃいけないよな…等と考え込んでしまった。

 

⚫︎COSTUME JEWELRY @京都文化博物館

コスチュームジュエリーとは、宝石や貴金属ではなく、模造パールやガラスビーズ、エナメル等の比較的安価な素材で作られたファッションジュエリーのこと。ディオールの流れ星モチーフのジュエリーが一番好みだった。

建築関係の展示は建築士の友人を誘うけど、ファッション関係の展示はお洒落で明るい友人を誘わせてもらうことが多い。どのデザインが好きか、どれが似合いそうとか、小声で喋りながら見て回れて楽しかった。そもそもジュエリーの話ができる旧友の存在が有り難すぎる。

(メモ)「怠惰はすべて悪徳の母」というタイトルのジュエリーがあり、人生の標語として心に刻もうと思った。ジュエリーの見た目は忘れた。

 

⚫︎アノラ・スペンス絵画展 @大丸神戸

神戸で30分だけ空き時間があったので、適当に調べて立ち寄った。美術館と違って販売前提で展示されており、絵画の下に値段が添えられていたのが新鮮だった。ほんわかしたワンちゃんの絵に癒されたけど、正直 絵よりも値札を見ていた時間の方が長かったと思う (30-200万円くらいだった)。

そういえば以前、知り合いのヴァンクリが似合うお姉様が絵画を買ったと仰っていた。ジュエリーと同じ感覚で絵画…真の豊かさを感じる。

 

 

以上15個。前半と合わせると年間24個! 我ながら豪華なラインナップだった。ベストは1つに絞れなくて「コンセルトヘボウ」と「パリ・オペラ座」の2つ。

2023年度は 20代ラストイヤーということで、若くて感受性豊かなうちに色々観ておかなければと妙に焦っていた。数年ずれたところで何も変わらないと思うけど、この一年間は興味があるもの片っ端からチケットを取ってOKという特別ルールを敷いていた。

2024年度以降は、月1程度で芸術鑑賞できたら上出来かな。とは言え、まだまだ観たり聴いたりしたいものは残っているので、チャンスがあれば確実に掴みにいきたい。

 

※画像は各サイトからお借りしました。